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この質問に答える前に、ハリケーンやノーイースター、津波、地震、台風、火山爆発、暴動、戦争、テロ、ウイルスによるパンデミックが起きたときのことを考えてみてください。
このような事態が発生すると、停電や道路の通行止め、空港の閉鎖、地域の隔離などさまざまな影響が生じます。その結果、資材を治験実施医療機関、そして患者さんのもとに配送することができなくなり、治験実施が不可能となりかねません。最終的に、貴重な資源・開発時間、そして信頼が失われる可能性があるのです。
ウェビナー参加者を対象に最近アンケートを行ったところ、約半数の方は、治験薬の調達にCOVID-19による悪影響があったと回答しました。また、パンデミックにより、輸送や製造、業者サービスに問題が生じたと回答した方もいました。
COVID-19は前例のない事態ですが、サプライチェーンの大きな混乱は珍しいことではありません。言うまでもなく、その主な原因の1つは悪天候です。2013年以降、米国における年間の気象災害発生数は12件と倍増しました。気候変動の影響により、洪水は2033年までに全世界で2倍に増えると予想されています。
社会に混乱を引き起こす事態は、感染症や気象災害だけではありません。英国のみに包装施設を整備していた企業は、英国のEU離脱に不意を打たれ、備えができていませんでした。多くの企業は、包装施設をEU内の新たな拠点に移転しようとしましたが、十分な薬事資料が整っておらず、速やかな移転は不可能であることが判明し、驚き、落胆したのです。
自然災害、人的・政治的災害によるサプライチェーンの混乱を防ぐには、緊急時対応計画が必要です。緊急時対応計画とは、サプライチェーンのセーフティネットのようなものです。実効性のある緊急時対応計画を構築するには、十分な配慮のもと、次の3つのステップを踏まねばなりません。
緊急時対応計画の必要性は十分理解していても、どこから、どのように始めたらよいかわからないかもしれません。