Author:
Brenda Bruker, Executive Director, Integrated Supply and Delivery Solutions, Thermo Fisher Scientific
初期ステージのバイオベンチャーにとって、科学的イノベーションは出発点にすぎません。真の難題はその先にある開発フェーズにあり、計画や実行における一つの判断ミスが、開発停滞、リソースの逼迫、さらには重要な資金調達マイルストーンの達成を危うくする可能性があります。
スピードが求められ、リスクが常に伴う環境の中で、あらゆる意思決定は連鎖的な影響を及ぼします。開発モデルの選択も例外ではなく、その判断がプロジェクトの行方を大きく左右します。
前臨床試験の管理、IND申請準備、初期製造と臨床スケジュールの整合など、開発は個々のタスクの集合体として捉えられがちです。しかし、真の差別化要因はそれらをいかに連携させているかにあります。
各タスクはサイロ化していないか、それとも戦略的に結び付けられているか。初期段階の判断が、下流の実行にどこまで明確につながっているか――各フェーズ内にとどまらず、開発全体を通じた一貫した視座は確保されているでしょうか。チームは個別最適で動いているのか、それとも統合されたクロスファンクショナルな連続体として機能しているのか。
この違いこそが、開発スピードと成功確率を左右する決定的な要素となります。
医薬品・治験・開発に携わる現場では、日々の判断がそのまま将来のリスクや成果につながります。科学的難易度、資金制約、社内リソース、スケジュール――条件は案件ごとに異なりますが、アーリーフェーズの開発現場には共通する課題があります。
こうした傾向が示しているのは、より本質的なニーズの存在です。それは、単に業務を遂行できるだけでなく、明確な見通しと高い連携によって開発スピードそのものを加速させる開発モデルです。
しかし実際には、多くのアーリーステージプログラムが、取引ベースのベンダー関係に依存したり、開発の途中で切り替えが必要になることを前提に、対応範囲の限られたパートナーからスタートしたりしています。このアプローチは、一見合理的に見えても、本質的なリスクを内包しています。分断された引き継ぎ、繰り返されるオンボーディング、優先順位の不一致は、結果として高コストな遅延や重要な機会損失を招きかねません。
確かに、小規模パートナーは初期段階において手厚く、密なサポートを提供してくれる場合があります。しかし、その「慣れ」や「近さ」は、開発途中で新たなチームやシステム、期待値へ移行する際に生じる混乱を補うものではありません。
プログラムが成熟するにつれて真に重要になるのは、開発フェーズをまたいで継続する関係性、スケール可能なインフラ、そして蓄積された知見です。スピードと開発の一貫性を維持するためには、戦略的に整合し、開発全体を見据えたスコープで伴走できるパートナーの存在が不可欠なのです。
現在の開発環境において、成功を保証する唯一の開発ロードマップは存在しません。しかし、成果を上げているアーリーステージの開発アプローチには、共通する3つの重要な要素があります。
これらは仮説上の利点ではありません。データによって裏付けられた成果です。Tufts Center for the Study of Drug Developmentによる最新の分析では、臨床開発、製造、サプライチェーンを単一パートナーのもとで統合するThermo FisherのAccelerator™ Drug Developmentフレームワークについて、財務面およびオペレーション面の影響がモデル化されました。その結果、この統合型モデルは、分断されたアプローチと比較して、一貫してポートフォリオ価値の向上と開発期間の短縮を実現することが示されています。
アーリーステージのバイオベンチャーにとって、こうした統合は単なる効率化にとどまりません。限られたリソースを守り、意思決定の質を高め、フェーズをまたいだ着実な前進を支える力となります。開発モデルが初期段階から戦略的に整合していれば、チームはより明確な見通しを持って動くことができ、重要なマイルストーンをより確実に達成し、長期的な成功に向けた強固な基盤を築くことが可能になります。